イギリス館 | 「ともに未来をつくろう」を、建築から展示まで一貫して感じられるパビリオン

Expo2025 大阪・関西万博
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イギリス館は、個々のアイデアを集め、組み合わせていくことを“積み木”になぞらえながら、建物から展示内容まで一貫したテーマでまとめられているのが印象的なパビリオンでした。

展示そのものは映像中心で比較的シンプルな構成ではあるのですが、そこに誰でも参加できる簡単なゲーム要素が加わることで、「ともに未来をつくろう」というテーマがより分かりやすく体験できるようになっていました。ただ見るだけで終わらず、その場にいる人たちが一緒に参加することに意味を持たせている点が、とても良かったと思います。

派手さ一辺倒ではないものの、建築も展示もよく練られていて、テーマ性の強さがしっかり伝わってくるパビリオンでした。

公式テーマは「Come Build the Future」

イギリス館のテーマは、「Come Build the Future(ともに未来をつくろう)」でした。

一見するととても分かりやすいテーマですが、実際に展示を見る前の段階では、「どんな未来をつくるのか」という部分までは明言されていないようにも感じました。けれども、展示を見ていく中で、個々のアイデアを“積み木”のように持ち寄り、それらを組み合わせることで未来が形づくられていくのだ、というメッセージが込められているのではないかと思いました。

また、イギリスそのものが4つの国で構成されていることを考えると、“ともに”という言葉にもどこか納得感があります。多様なものが集まり、組み合わさることで新しい価値が生まれるという考え方は、イギリス館のテーマともよく重なっていたように感じました。

積み木を積み上げたような外観が、テーマをそのまま表している

イギリス館の建物は、まさにテーマをそのまま具現化したような外観をしていました。文字通り、積み木を積み上げたようにも見える独特なデザインで、遠くから見ると凹凸のある白い壁のように見えるのですが、近づいてみると穴の開いたパネルで構成されており、その隙間から赤や青の色が見えるつくりになっています。

展示を見る前は、その見た目からレゴブロックのようなものを連想しましたし、赤と青の見え方もあって、イギリス国旗をイメージしているのかなと思ったのを覚えています。

また、建物の前には立派なイングリッシュガーデンが広がっており、順番待ちの時間にはその庭園を眺めながら過ごすことができます。人気パビリオンではどうしても待ち時間が発生してしまいますが、イギリス館はこの庭園のおかげもあって、比較的待ち時間の負担を感じにくかったように思います。

展示はPIXの案内で進む、分かりやすく親しみやすい構成

展示は、PIX(ピックス)という赤い立方体のマスコットキャラクターの案内で進んでいきます。このPIXは、“アイデア=積み木”をイメージした存在になっており、イギリス館全体のテーマとも自然につながっていました。

構成としては大きく3つのエリアに分かれており、基本的には映像を見ながら進むスタイルです。ただ、内容は簡潔にまとまっていて理解しやすく、さらに途中にはゲーム的な要素も入っているため、子どもでも楽しみやすい展示になっていたのが良かったです。

全体を通して、「ともに未来をつくろう」というテーマが無理なく展示体験に落とし込まれていて、見終えたあとには建物も展示も含めてひとつのまとまりとして印象に残るパビリオンだったと思います。

プロジェクションマッピングで描かれる、発明の積み重ね

最初の見どころは、壁一面に映し出されるプロジェクションマッピングです。

ここでは、蒸気機関や自動車など、イギリスで生まれたさまざまな発明が映像で表現されていました。ただ、それらを単に「すごい発明」として紹介するだけではなく、ひとつの発明も、もとをたどれば無数のアイデアの積み重ねによって形になっているのだ、ということが伝わってくる構成になっていたのが印象的でした。

もちろん、やや“イギリス推し”の色が強いようにも感じましたが、万博という場では自国の魅力や歴史を知ってもらうことも大切な役割のひとつです。その意味では、十分に納得感のある展示だったように思います。

ミニゲームがあることで、「ともに」が体験として伝わる

個人的に特に印象に残ったのは、このパビリオンが単なる映像展示で終わっていなかったことです。

ミニゲームのエリアでは、部屋の中央にPIXが配置されており、その案内に合わせて、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという4つの国の自然や文化、観光名所などを知ることができます。

面白いのは、それがただ映像を見るだけではなく、ゲーム形式になっていることです。ルールはとても簡単で、PIXが映像に合わせて変身するタイミングでボタンを押すというものですが、こうした要素が入るだけで、展示への参加感がかなり増していたように思います。

部屋を移動しながら映像を見続ける形式だと、特に子どもは途中で飽きてしまうこともあると思います。その点、誰でもすぐに理解できる簡単なルールで、しかもその場にいる人たち全員が一緒に参加できるようになっていたのは、とても良い工夫でした。テーマである“ともに”を、言葉ではなく体験として伝えていたのが、このパビリオンの魅力だったと思います。

最後に描かれる「未来の世界」

最後のエリアでは、テクノロジーや技術が発展した未来の世界をイメージした映像を見ることができます。

ここまでの展示では、過去の人々がアイデアを積み上げることで大きな発明が生まれ、今の社会がつくられてきたのだということを学ぶ流れになっていました。そう考えると、この最後のエリアは、今ここにいる私たちのアイデアや選択の積み重ねによって、これから先の未来もまた形づくられていくのだと想像するための場所だったのかなと感じました。

過去から現在、そして未来へと視点がつながっていく構成もきれいで、最後までテーマがぶれない展示だったように思います。

展示のあとに現れるジョニーウォーカーのバーも魅力的

展示を見終えた先には、ジョニーウォーカーのおしゃれなバーが設けられていました。

私が訪れたのはお盆前の8月上旬だったこともあり、そこで冷えたハイボールをいただいたのですが、これがとても良い締めくくりになりました。展示を見終えたあとに、少し落ち着いた気分で余韻に浸れる場所が用意されているのは、なかなか贅沢な体験だったと思います。

しかも、このバーは大屋根リングや水上ショーが見える立地にあり、タイミングが合えば景色を楽しみながらお酒を味わうこともできたのだろうと思います。こうした展示後の過ごし方まで含めて、イギリス館らしい雰囲気のあるパビリオンでした。

イギリス館で印象に残ったこと

イギリス館で一番印象に残ったのは、建物、展示、体験のすべてがテーマときちんとつながっていたことです。

特に、ミニゲーム形式の展示はとても印象的でした。ルールが簡単で、そこにいる全員が一緒に参加できることからも、“ともに”というテーマが強く意識されていたのだと思います。ただ映像を見せるだけではなく、参加することそのものに意味を持たせていたのが良かったです。

また、積み木という分かりやすいモチーフを使いながら、それを建築にも展示にも落とし込んでいた点も見事でした。未来は誰かひとりがつくるものではなく、さまざまな人のアイデアが積み重なって形になっていく。そのメッセージが、館全体を通して自然に伝わってくるパビリオンだったと思います

まとめ

イギリス館は、「Come Build the Future」というテーマを、建物から展示内容まで一貫して表現していた完成度の高いパビリオンでした。

積み木のような建築、PIXによる案内、参加型のミニゲーム、そして未来を想像させる映像と、どの要素もばらばらではなく、しっかりひとつのテーマのもとにまとめられていたのが印象的でした。

派手な展示が続く万博の中では比較的落ち着いた構成ではありますが、そのぶんテーマの伝え方が丁寧で、見終えたあとにじわじわと良さが残るタイプのパビリオンだったように思います。楽しみながら学ぶことができ、しかも“ともに未来をつくる”というメッセージがきちんと伝わってくる、とても良い展示でした。

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